日本の鉄道模型の歴史は戦前は非動力で1970年以降Nゲージの開発が進んだ
日本の鉄道模型で最も普及しているのが、Nゲージというレールの間隔が9ミリの小型の模型です。
日本ではヨーロッパやアメリカで作られていたのを真似して、1960年代に開発されるようになりました。Nゲージの原型となる鉄道模型が最初に作られたのは、1910年代のドイツと言われます。玩具メーカーのビングが、Nゲージに近い小型の非動力模型を作ったのが最初です。
1920年代になると、イギリスや日本でも鉄道模型愛好家が登場し、自作の模型を雑誌で紹介しています。第二次世界大戦以前に作られた模型はほとんどが非動力のもので、線路もありませんでした。
Nゲージが最初に作られたのは、1962年と言われています。イギリスの玩具メーカー・ローンスターの「トレブルオートレインズ」です。ここからNゲージの歴史が始まったといっても過言ではありません。1960年代の日本ではNゲージとは言わず、9ミリゲージと呼んでいました。日本で最初にNゲージの鉄道模型を作ったのはタカラトミーです。最初に作ったローンスターの模型をモデルにしています。鉄道模型ブランド「KATO」の関水金属彫工舎が本格的に9ミリゲージの模型を作るようになり、広く普及しました。
1970年代になると、タカラトミーが日本型車両の商品化を始めます。学習研究社が新幹線の模型をNゲージで作るようになりました。鉄道模型の種類も客車だけでなく貨車の開発も行われ、日本製の模型が注目を集めるようになりました。1970年代には、鉄道模型に関する書籍の販売や鉄道模型ショーも行われています。日本の鉄道模型の歴史上を最も人気があった時期と言えるでしょう。
1980年代から90年代にかけて、人気が低迷して時期もありましたが、2000年代になるとマイクロエースの登場により人気が復活します。新幹線や特急列車といった客車の他に、テレビアニメに登場する鉄道模型も作られるようになりました。
他にも、食玩で鉄道模型が登場し、幅広い年代が模型を親しむようになります。日本の鉄道模型の歴史はヨーロッパに比べると浅く、Nゲージを普及によって始まったと言えます。
レールクリーナーでメンテナンスをしよう
こだわりのジオラマの世界に、細かく再現された車両を走らせることができるところが魅力的です。目の前に好きな沿線や車両が走る世界が広がり、車両を走らせて眺めることを趣味にしている方も多いのではないでしょうか。
ですが、鉄道模型はそんな至福の時に、しばしば走行不良を起こすことがあります。その理由はレールと車両の間に溜まったゴミや汚れで、これらが車両を走らせる際に発生するごく微量な火花をきっかけにスパーク汚れと呼ばれるものが生まれ、これが走行不良の原因とされています。
このスパーク汚れを放置すると、どんどん汚れが溜まることになり、初めはライトのちらつきや軽い走行不良であったものが、発進に時間がかかる、また、ライトが付かなくなったり挙句の果てには動かなくなることに繋がりかねません。ですので、走行に異常が見られた時はレールなどのメンテナンスを行い、スパーク汚れを落とすことをお勧めします。
やり方は、レールクリーナーと呼ばれるレールクリーニング液を使用して、レールの掃除を行うのが一般的で、綿棒などに適量のレールクリーニング液を染み込ませて汚れを拭き取ります。
なお、その作業が面倒であったり、鉄橋やトンネルなどでメンテナンスがしにくい場合は市販のクリーニングカーを使います。車両型のクリーナーですので、走らせながらクリーニングもしてくれる様子を眺めるのも一興です。ですが、普段からこまめにレールや車輪の掃除を行うメンテナンスをしておけば、レールクリーナーなどのアイテムを使う必要はありません。
大切な鉄道模型がいつまでもトラブルなく走れるように、それぞれのパーツや車両、レールの汚れのチェックを適宜、行ってみてはいかがでしょうか。